東北若手生産者の声

東北の生産現場から 思うこと
東北の生産現場から 思うこと

 宮城県の農業生産者 松野剛明さんが震災後1年に当たり思うことをご紹介します。 

 松野さんの働く田畑は宮城県中腹にあり放射線の数値も低い所ですが、買い控えは顕著であるそうです。

長年環境に配慮した有機、減農、循環型農法に取り組んでこられた方々だけにこの理不尽な状況は耐え難いものです。

とはいえ「安全」と言われても、食べたくても食べられないお母さんは沢山おられます。その気持ちは子供や孫を守る為の一念で当たり前のことです。

なにが正しい情報なのか、わからない時代です。

 しかし今の日本の状況で、避けてばかりでは選べる数は少数に限られます。成長に必用な栄養素も採れず免疫も下がれば本末転倒です。

安全で安心できる食材作りを相互理解、相互協力により作って行けないでしょうか。

生産現場と消費者の相互理解、交流は今後さらに必須と考えます。

松野さんの働く田畑は宮城県中腹にあり放射線の数値も低い所ですが、買い控えは顕著であるそうです。

長年環境に配慮した循環型農法や、減農、有機農業に取り組んでこられた方々だけにこの理不尽な状況は耐え難いものです。

とはいえ安全と言われても食べられないお母さんは沢山おられます。その気持ちは子供や孫を守る為当たり前のことです。

なにが正しい情報なのか、わからない時代です。

 今の日本の状況で、避けてばかりでは選べる数は少数に限られます。成長に必用な栄養素も採れず免疫も下がれば本末転倒です。

安全で安心できる食材作りを相互理解、相互協力により作って行けないでしょうか。

生産現場と消費者の相互理解、交流は今後さらに必須と考えています。

目次  

○ はじめに 3.11を契機に見えてきた問題 

 原発・放射能問題 

 エネルギーシフト 

 食  

 私がこの状況をどうとらえているか 

 これから

 

○はじめに

 あの3・11からはや1年が経とうとしています。色んな出来事があり、色んな問題が出てきた中で、今自分が思っていることを書かせていただきます。これを読んだかたが、考えたり、行動するきっかけになればうれしいです。つたない文章かもしれませんが、よろしくお願いします。

3・11を契機に見えてきた問題

原発・放射能問題

 原発事故が起こるまで、原発は発電時に二酸化炭素を出さないクリーンなエネルギーだという,

うたい文句でした。

全国の原発のち、たった数基が事故を起こしただけで自然が汚され、今後100年近く住めないであろう地域ができ、本来なかった諍いを引き起こしています。

 原発は何をもたらしたのか?

大量の電気・地元自治体への多額の交付金と職・利権構造・処理のできない放射性廃棄物など、電気を作るためだけには必要でないものが多くもたらされた気がします。数十年暮らすために、どのぐらいの時間と労力がかかるかわからないツケができた。そんな風に思います。

 

エネルギーシフト

 原発のほとんどが停止して、電力が足りないという情報が流れていますが、まだ大規模な停電は起っていないようです。これは、電力が足りないというのはウソなのか、節電効果があるのかはわかりませんが、予想されていたような事態にはなっていません。

節電をしているからといって、生活に不便を感じると訴えている方はあまりいないように感じます。

「電気は生活のためにある」これは当たり前のことですが、案外見落としがちな部分な気がします。一般の家庭で使う電気の何倍も企業や他の分野が何倍も使っている。これは事実ですね。だから①「私が省エネにしても変わらない」「それに生活レベルを落とせる気がしない」という方がいます。ここに私は違和感を感じていました。

① について 企業や他分野が何のために電気を使っているのか?それは、人の暮らしに必要とされている商品やサービスを提供するためです。その点を考えると、自分たちの家庭で使う電気だけに目を向けているだけでは、問題が見えていないとも言えます。

② について 今の生活レベルって誰から見た生活レベルなんでしょうか?富裕層の人?中間層の人?大都市の生活?地方都市の生活?田舎の生活?それによって使っているエネルギーは全然違うはずです。  

落とせる気がしないという方は、自分の生活しか基準がない、落とす気がないけど考えているふりはしている、ようするに人のせいにしているという気がします。

 実際にエネルギーシフトに向けて動いている人と、できるの?と思っている懐疑派の人との考え方に溝があるというのが、今の一般の人たちの状況だと思います。

 社会の仕組みを作っている上の人達はどうなのかといえば、動こうとしている人はまだ一部で、政治や利権がらみで身動きがとれなくなっている人が多いですね。それが動きの遅さ、後手後手の対応につながっている。そのことが、エネルギーシフトできる技術があるけど進まない原因になっていると思います。

 

○食

 福島第1原発が事故を起こし、広大な土地が汚されました。そのことによって、安全な食べ物が作りづらくなった、もしくは作れなくなった地域ができました。

 事故の後、福島、茨城、宮城の食べ物が売れなくなりました。それは、放射能検査で数字が出た・出ないに関係なくです。自然界にもともとあった放射性物質もあることから、ゼロベクレルの食べものというのはほとんど存在しないと言われています。

事故の影響がなかった食べ物が売れなくなるのが風評被害、そのことによって生業がなりたたなくなることや、事故以前より少しでも放射性物質が入るような状態は、すべて実害ではないかと思っています。

最近、安全な食べ物を求めて、九州や北海道の食べ物を取り寄せている方がいます。放射性物質を入っていない安全な食品を食べたいのはみんな同じだと思います。

ところで安全な食品とは、放射性物質を含まないものだけをいうのでしょうか?農薬・食品添加物・合成洗浄剤、家畜のエサ鮮度、旬など、様々な問題があるので、トータルで考えなくてはいけないと思っています。

 

○私がこの状況をどうとらえているか

今回の震災で、今の日本の構造やもろさがあからさまになったと思っています。

より便利、快適、経済成長を求めてきたけれど、ちょっとトラブルが起きると瀕死の状況に陥る。この前参加したイベントで、大学の先生が「今の社会は点滴社会」と言っていました。「~がなければ生きていけない」そんな依存の仕組みが今の日本なんだと感じました。

この1年を過ごして浮かぶ私の中のキーワード

「お金」「しがらみ」「依存」「情報」「くらしとは」「偏見」「偏り」「体」「感覚のマヒ」「想像力の欠如」「事実と向き合う」「都合のいいものを信じる」「判断力」「あいまいさ」「隠す」「声高に叫ぶもののこわさ」「満足」「つながり

みなさんの中にピンときた言葉はありましたか?

 ○これから

 読んでいる方に少し問題を(絶対的な正解はないのですが)。

お金=「      」  豊かさ=「      」  つながり=「      」

なぜこの言葉について考えてもらったかというと、多くの人が求めているものだけれど、すごくあいまいなものだからです。たとえば、お金がほしいという人は「いくらあればいいの?」豊かな生活・裕福な生活をしたいという人は「どんなくらしがしたいの?」というふうに具体的に考えてみてほしいのです。

 求めているつもりだけど、それが何なのかよくわからない。それでは目的地もわからないのに出発だけしてみたのと変わらない気がします。

 

今までの社会・くらし―震災・原発事故―これからの社会・くらし。今の自分の状況と向き合う。そしてどうしていきたいかを考える。そんなチャンスをくれたのが3・11で、ターニングポイントなんだと思っています。

現状を調べたり、福島の実害を受けている人の話を聞いて見えてきたことがあります。

今までは、一部の人たちが決めて一部の人がいい思いをし、そのしわよせで他の関係ない人まで苦しんだり、しんどい思いをしてしまうものでした。今回の震災で、仕組みをつくる人にだけまかせていてはいけないということがあきらかになりました。

 

生きていくうえで「何を望んでいるのか?」「それで満足できるのか?」そして「どう生きていきたいのか?」

それをまず考える。その次に話し合う、声をあげる。そのことで多くの人を動かしていく。そして仕組みを変えていく。それが大事になると思います。現実として、実害を受けている所は、市民が声をあげているところから変わっています。

「どうせ変わらない」といっている時間よりも、「こうしたい」と言って行動する時間にしてみませんか?よっぽど楽しいですよ。

一部の人だけでなく、色んな考えの人もみんなで考えて実践して、将来にいいもの、本当に必要なものを残していきたいですね。

読んでくださった方ありがとうございます。みなさんの考える、行動するきっかけになればうれしいです。

 

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